帰国子女枠を使って中学受験をする場合、何から準備をしたらよいかわからなかったり、学校の選び方などに悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。
帰国子女の中学受験は、一般受験とは受験の条件や科目、日程なども異なるため、それに対応した受験準備が必要です。帰国子女枠での中学受験をお考えの方に私自身が調べたことをまとめてお伝えします。最新の情報は各学校のHPなどでご確認ください。
ここ数年は、新型コロナウィルス感染症のこともあり、様々な学校が学校説明会をオンラインで行っています。海外からも参加できる説明会も多いのでまずは色々な学校の説明会を視聴してみるのをお勧めします。
帰国子女枠の受験資格と条件
帰国子女枠での受験はどこの学校も、学校ごとに受験資格が定められています。
海外に住んでいた期間が「〇年以上」という条件を設けている学校がほとんどです。1年以上や、3年以上といったところもありますが、2年以上、というところが多い気がします。また、母子で留学していた場合などは認められないケースもあり、その場合は、あくまでも親の仕事で帯同していたことが条件になってきます。
帰国後の年数は、帰国後「3年以内」や「2年以内」など学校によってこれも条件が異なります。
学校の種類は、現地校・現地のインターナショナルスクール・日本人学校があります。
日本人学校の場合も帰国生としてみなされる学校がほとんどですが、成蹊中学校の国際学級入試のように出身校の種類に規定を設けている中学校もあるため、こちらも必ず確認する必要があります。ちなみに成蹊中学校の国際学級は「現地校またはインターナショナル校(幼稚園を除く)に2年以上在籍していたもの。」となっています。
なお中学受験の条件は年度ごとに見直され昨年とは異なる場合もあります。学校のホームページや募集要項などで、最新の条件を確認する必要があります。
必要書類は?成績表は何年分?
成績表は海外での最終学年の成績表のみの学校、プラス、日本の在籍校の6年生の1学期の成績表が必要な学校などがあります。東京学芸大学附属国際中等教育学校のように前年度分から提出する学校もあります。
また、海外に住んでいたことを証明する書類(在留証明書など)を提出する学校もあり、会社の捺印が必要な場合も多いため早めに用意をする必要があります。
帰国子女枠の試験には面接がある学校もあり、事前に志望動機や活動実績などを提出する学校もあります。提出する書類に関しても、学校によって様々です。英検などの資格がある場合は、スコア表の提出を求められる学校もあり、合否の参考にされることもあるようです。
どんな学校がある?
2022年時点で、偏差値が高めの学校は、聖光学院(神奈川)、渋谷教育学園幕張(千葉)、海城(東京)、渋谷教育学園渋谷(東京)、慶應義塾大学湘南藤沢中等部(神奈川)、西大和学園(奈良)、広尾学園広尾(東京)などがあります。
このほか、早稲田、巣鴨中学校など2月の一般試験で受けて帰国生は加点されるような学校もあります。現時点では、御三家は帰国子女枠の受験はありません。
立教池袋(東京)、立教新座(埼玉)、立教女学院(東京)、学習院(東京)、中央大学付属(東京)、同志社国際(京都)、立命館宇治(京都)など、大学付属の中学校も何校か帰国子女枠を設けています。
近年、帰国子女枠での受験者数は伸びており、これらの難関校だけではなく、中堅校も非常に人気になってきています。
どんな学校があるかわからなかったとき、日能研のサイトが参考になりました。
受験科目は?
【1教科】英語のみ
【2教科】国語・算数/英語・算数
【3教科】国語・算数・英語
【4教科】国語・算数・理科・社会
その他 小論文/作文/英語のエッセイ
帰国子女枠の受験科目は、色々なパターンがあるため対策が難しい傾向があります。志望校を決めたらその学校ごとの対策をする必要があります。
この学校は英語があるけど、この学校は小論文がある、面接がある…と受けたい学校の受験科目がバラバラの場合、結果的に対策しなければならないことが多くなってしまいます。
面接のパターンも、個人・グループ・親子などがあり、国際色を強みにしている学校は、英語の面接やディスカッションなどを取り入れているところもあります。
帰国子女枠での中学受験のメリットは?
結論から言うと、メリットは沢山あると思います。
メリットとしては
科目が少ない
これは前述の通りですが、一般受験の場合はほとんどの学校は4教科(国語・算数・理科・社会)となります。それが、帰国子女枠の受験では、国語と算数だけで受験できる学校が多い印象です。
何校も受けることができる
一般受験の場合は1月から2月にかけて行われる学校が多いですが、帰国子女枠の受験は一般よりも早く、2,3か月前から始まります。大体10月頃から1月にかけて行われる学校が多いので、段階的に何校も受験することが可能です。
また、4教科勉強している場合は、仮に帰国枠で落ちても一般枠で再受験ができるので、同じ学校を複数回受けることも可能です。
倍率が一般受験より低い
近年過熱している中学受験。帰国子女枠の受験も年々受験者数は増えているのですが、それでも「帰国生」しか受けないため、一般受験に比べると倍率が低い学校が多いです。
試験問題自体が一般試験よりもやや易しくなっている学校が多い
同じ学校であっても帰国枠と一般枠とで試験のレベルが異なる学校は多々あります。とはいえ、「少し易しい」程度である学校がほとんどで、やはり中学受験の勉強や学校別の対策をせずに合格するのは難しくなっています。
英語など得意なものがあれば活かせる
英語圏の現地校やインターナショナルに何年も在籍している帰国生も多数います。日本語より英語が得意!というような子も多く、英検1級や準1級を持っている子も多いです。
中には、英語だけで受験できる学校も数は少ないですがあります。また、英検の保有級で英語の配点が決まっていたり、英語の試験自体が免除になる学校もあります。広尾学園広尾は、TOEFL iBTスコアが基準スコア以上の場合は英語の試験免除となります。
帰国子女枠でのデメリットは?
学校が限られる
全ての学校が帰国生を受け入れているわけではありません。帰国子女枠を設けている学校は限られているため、行きたい学校に帰国枠がない!ということもあります。
特に御三家と呼ばれるような男子校・女子校は帰国子女枠の別試験を設けていません。
試験科目が学校によるため対策が多岐にわたる
英語の有無もですが、学校によって面接・小論文・作文など試験の内容や組み合わせは多岐にわたります。やはり面接や作文も練習せずぶっつけ本番!とはいかないので、我が家もそれぞれ対策をしました。
国によっては中学受験に対応した塾がない国や地域もあるかと思います。
今は色々選択肢はありますが、海外の場合はオンラインがおすすめです。
そのうちの一つ、家庭教師e-Liveを10年以上展開してきた会社が、海外子女向けにもっとより良いサービスを展開したいという考えで、海外子女向け専門の「eFFISAGE」を新ブランドとして立ち上げました。
帰国子女などの海外に滞在経験のある講師が多数在籍しているため、質の高い指導を行うことが可能となっています。小学一年生から申し込み可能なので、受験対策だけではなく日本の勉強に遅れをとりたくない方にもお勧めです。
体調管理をずっとしないといけない
体調管理は受験生の基本ではありますが、近年は新型コロナウィルス感染症の流行もあり、今まで以上に体調管理に気を付けなければならなくなりました。今年も11月に入って新型コロナウィルスもインフルエンザも増えてきています。一般受験だと「3学期は受験が終わるまで休む」というような知り合いもいましたが、帰国子女枠の受験は数カ月にわたるためそうもいきません。
まとめ
以上、帰国子女枠の概要についてお伝えしました。
内容からもわかるように、帰国子女枠の中学受験と言っても内容は多岐にわたります。海外に住んでいるとなかなか学校見学なども行く機会が限られたり、塾も限られてしまいますが我が家はZ会の通信教育 中学受験コース
の海外受講で対策を始めました。Z会についてはこちら。あとは、オンラインなどをうまく使って早めに対策をすることをお勧めします。