ギフテッド2児には親はどんな支援をすべき?サポートの方法は?
ギフテッドは支援が必要な子たちです。必要な支援は年齢によって変わります。また支援の内容も子どもによって異なります。今すぐどうにかしようとしてもどうにもならないこともあります。成長を待つことも支援の一つです。
ギフテッドの支援というと、早期教育や早修が思い浮かぶかもしれませんが、2E児の支援はそれだけではありません。
学校への合理的配慮についてや、学校への伝え方などは別途お伝えしてきました。
今回は、今まさにお子さんと向き合っている方へ、色々と試行錯誤をしながら、たくさんの失敗もしてきた筆者が伝えたい親ができるギフテッド2E児に必要な支援についてです。
こちらの「ギフテッド児のお悩み別Q&A」のカテゴリーでは、実体験に基づいた筆者なりの考えをまとめています。
今まで、数々の医療機関・専門機関を受診して受けたアドバイスや、専門書に基づいて実際にやってみてうまくいったこと、いかなかったことについて記載しています。
ギフテッド児もさまざまなタイプがいるため、その子によっては効果がない場合もございます。その旨ご理解の上、参考にしていただければ幸いです。
幼少期に必要なサポート
昨今、日本でも「ギフテッド」という言葉が世間に広まり、周りの大人が早くに気づくケースもあるのではないでしょうか。「うちの子もしかしたらギフテッドかも」と思ったら、早期教育をすれば良いのでしょうか?
もし幼少期にもうお子さんがギフテッド2Eと気づいているのであれば、親ができるサポートとしては、まずは子どもをよく観ることです。
どんなことに興味関心を持ち、どんなことが好きなのか。どんな時に目を輝かせているか。
逆にどんな時に怒りや悲しみを表すのか。その表し方はどのように表現するのか。
その子の特性を親がまず理解することが2E児のサポートの第一歩だと思います。
得意なことがあれば、どんどん気の済むまでやらせて見守るのも支援です。
もしすでに苦手なことがわかっているのであれば、苦手に対応したトレーニングを開始しても良いと思います。ペアトレを学んでみるのもおすすめです。
また幼稚園や保育園など初めての集団生活が始まり、先生からの指摘を受け発達特性に気づくケースも多いです。そこで初めて我が子が「普通ではない」ことに気づき、周りの子とちょっと違うかもしれない。と不安になるかもしれません。
そんな時は1人で抱えず、児童支援センターなど地域の相談できるところと早くから繋がっておくと安心できると思います。
小学校低学年
小学校に入学すると、集団生活に加え、勉強が始まります。
ギフテッドは理解するのが早かったり、簡単に答えを導き出したり、学ぶスピードが人と異なります。そのため45分間、みんなに合わせた速さで進んでいく授業はギフテッド児には退屈かもしれません。
我が家は、決して先取り学習をしていたわけではありませんが、授業が退屈ゆえ、手遊びやおしゃべり、隣の子へのちょっかいなど問題行動が目立ち始めたのもこの頃。
口が立つ場合は、同世代の子を言い負かしてしまったり、時には先生にも歯向かい、先生と衝突することも。
逆に言いたいことが言えず、学校のような同調圧力のある場が合わず、不登校気味になる子もいるでしょう。
感覚過敏がある場合は、ガヤガヤした教室自体が居心地が悪く、適応できなかったり、お友達と一切関わろうとせず学校でも1人を好む子もいます。
問題行動に対して、先生から指摘があった場合、「なんでみんなはできるのにできないの?」とお子さんを問い詰めたくなるかもしれません。(私です…)
しかし頭ごなしに叱るのではなく、本人の思いに耳を傾けてほしいです。きっと大抵は本人なりの考えや意思があってのことです。
知能的には進んでいるのに社会性が学年相当もしくは年齢より下という場合、なかなか先生から理解されません。また、本人も低学年のうちは、自分が周りと好きなこと、興味のあること、考え方が違うということには気づいていても、まだ理解できていない場合もあります。
親が一番の理解者、擁護者となることがとても大切です。
無理に適応させようとするのではなく、学校の中で支援級(通級)をお願いしてみたり、学校自体が難しい場合はフリースクールや習い事などその子にとっての居心地の良い居場所を作ると良いと思います。
もし学校に行きたくないと言った場合も慌てる必要はありません。選択肢をいくつか先回りで考えておくのも支援の一つです。
そしてタイプにもよりますが、自立心がとても強いギフテッド児もいます。
まだまだ子どもだと思っていたら急に親離れをしていきます。低学年のうちに色々な経験を一緒に思う存分楽しむことをおすすめします。
小学校高学年
高学年になると、周りも心身ともにだいぶ成長してきます。
そして、本人も成長とともに小さい頃から感じていた違和感や周りとのギャップ、自分の苦手なこと得意なことなど、自身のことを徐々に理解できるようになります。
ただ、自身の特性を理解していても、本人自身もどうしたら良いか分からずもがき苦しんでいる時期かもしれません。生きづらさを感じたり非同期発達によるアンバランスさが目立つ時期でもあります。
ストレスや不安、不満の表し方はそれぞれ異なりますが、どんな時も親としては「常に味方である」というメッセージだけは送り続けます。
そして、子は親を見て育ちます。例えば、子供とのバトル。
口論になると、息子は口が立つので、とにかく生意気で偉そうで、自己中心的で、相手を苛立たせる才能があるんじゃない?と思うほど。
しかしそれも、親の私が感情の表し方の見本になっていないか、自分の心に問いただすと、自分もカッとすると口撃していたことに気づきます。挑発的なことを言ってみたり、相手の気持ちを坂撫でるようなことをわざと言ってみたり、まずは自分の言動を改めるように気をつけました。決して同じ土俵に上がらない。これが案外難しいのですが「感情VS感情」のぶつかり合いはお互い消耗するだけでした。
もう一つ高学年の頃の支援としては、その子の好きなことや得意なことを学べる機会を与え続けることです。
昨今、中学受験が注目されています。幼少期から低学年の頃までは得意を伸ばすことを意識していたはずなのに気づいたら中学受験勉強に追われていた。ということはないでしょうか。
中学受験に関しては地域差もあったり各家庭の考え方もあると思いますが、もし中学受験勉強よりも他にやりたいことがあるのであれば、その意欲ややりたい気持ちも大切にしてほしいです。
我が家の中学受験については別途noteにて記載していますが、一言でいうと「壮絶」でした。
自分で中学受験をすると決めたものの、当時一番興味があったことは友達と遊ぶこと。息子は遊びと受験を両立させることが目標でした。親が偏差値の少しでも高い学校を目指すことを要求していたり、親子間の目標がずれていると衝突が起こる原因となります。
勉強しない子の塾代ほど勿体無いものはありません。「こんな高いお金払っているんだから!」と思う気持ちもよくわかります。しかし、これまた本人にも思いがあるはずです。
本人の意思を尊重することは親子関係を健全に保つためにもとても大切です。
中学生
中学生になると、親よりも同世代の友達や部活動での先輩と繋がりを大切にする年頃です。そのため関わる周りの人や、人間関係がとても大切になってきます。
一般的にギフテッド児は早熟だと言われますが、やはり育てていても早熟だと感じます。1人でなんでも完結してしまったり、意思決定を自分自身でしていくお子さんも多いのではないでしょうか。
ギフテッド児は独自の視点で世の中を見ており、自分の考えを信じて動いてしまうこともあります。そのため、親から見ると、ちょっとそれは違うんじゃない?ということも往々にして出てきます。
自分では大人になったような感覚ですが、まだまだ経験値は年相応。教えなければならないこともまだまだあるのがこのお年頃。本当の意味で自立するまでは、親の助言、アドバイスは必要だと思います。
もし親に反抗的であったり、親の意見を受け入れない場合は、親以外の「尊敬できる人」に出会うことで、いいことも悪いことも理解できるようになります。習い事の先生でもメンターでも1人でも多い方が良い気がします。
「ギフテッドの6つのタイプ」でも支援方法については記載しましたが、どんなタイプも理解者を必要としています。本人が心から信頼を置けるようなサポーターに出会う機会を見つけるのも支援の一つです。
社会に出る前にできるようになればよしとする
あれこれここまで書いてきましたが、2Eの部分に関しては以前児童精神科の医師に言われた
「社会に出る前にできるようになればよしとする」
この一言が今の私の育児法の指針となっています。
部屋の片付け、忘れ物、できないこともまだまだあるのであれこれ言いたくもなりますが、ぐっと我慢して成長を待つことも支援だと思っています。
引用元「わが子がギフティッドかもしれないと思ったら: 問題解決と飛躍のための実践的ガイド」ジェームス・T・ウェブ(著)「どんなに反抗的なギフテッド児でもまた成長する。ただし、それは我々のスケジュールではなく彼らのスケジュールに則ってだ」
まとめ
現在中学生の息子ですが、私自身が「ギフテッド2E」という言葉にであったのは約5年前。ギフテッドという言葉も今ほど浸透しておらず、私自身、言葉の意味すら知りませんでした。
時代が違えばもう少し早く気づけたのではないか、もっと違う育て方ができたのではないかと、自身の子育てには後悔がたくさんあります。
ギフテッド2Eのタイプも様々なので、一概に全ての人がこうすれば良いという育児法や支援方法はないのですが、参考になれば幸いです。