発達特性があったり、ギフテッド2Eの場合はどんな中学校が合うの?
発達クリニックの先生の一言をきっかけに、意識し始めた中学受験。
私立の中学校もたくさんあって何を基準に選べばいいのかわからないですよね。実際どんな点を気にして中学校を選べば良いのでしょうか。
私自身、中学受験を経験していないため、どんな学校があるか、学校によってどんな特色があるか全く知りませんでした。
Vol.4の今回はギフテッドであったり、発達特性がある子の学校を選ぶ時のポイントについてです。
中学受験のカテゴリーについて
我が家は何学年も先の算数先取りしているような算数が得意なギフテッドでもなければ、英才型のギフテッドではありません。
知能検査で言語理解が高いからといって国語が得意なわけではありません。
あらかじめお伝えしておくと、せっかく読んで頂いても、偏差値30からの御三家合格!とか、これをやったら難関校に受かります!といったノウハウは一切得られませんのでご了承ください。
合う学校ってどんな学校?
海外のように「ギフテッド教育」が行われていない日本において、ギフテッド児に合う学校とはどんな学校なのでしょう。
ギフテッドや2Eのタイプにもいろんなタイプがあるように、どんな学校が合うかはその子によって異なり、「ギフテッドだからこういう学校がいい」「発達特性があるから〇〇型がいい」というのは言えないような気がします。
正直、通ってみないとわからない、というのが本当のところだと思います。
説明会や体験授業なども参加し、学校のことはわかって入学したつもりでも、実際通ってみてやっぱり合わなかったというケースもゼロではないでしょう。
しかし、受験するのであれば「志望校」を決め、合格後は通う学校を1校決めなければなりません。
では何を基準に学校選びをしていくと良いのでしょう。我が家の選び方を参考までにお伝えします。
我が家のケース
我が家は5回転校経験があります。そんな息子を見てきて、今までの経験から「合う学校」を推測して学校探しをしました。
息子曰く、今まで通った学校で最高だった学校は「インターナショナルスクール」とのこと。
何が良かったか聞くと、以下のような点を挙げていました。
そう考えると、知的好奇心が高く、学びたい意欲がある我が子は、やはり公立の中学校より、私立向きであることは明確でした。
意外と息子の場合は「自由」だったり、「厳しくない」点は求めていないことがわかりました。
また、制服の有無や男女共学かどうかといったところも「そんなことはどうでもいい」とのことでした。また、「偏差値」についてもこの頃はさほど興味がありませんでした。
それよりも、「学びがある環境か」「自分のやりたいことができる環境か」「周りに高め合える友達がいるか」といったことが大事なようでした。
偏差値に関してですが、当時は「中学受験はしたいけれど、勉強ばかりしたくない、それよりも友達と遊びたい」という目先の楽しみへの思いが強く、偏差値にこだわりがなかったのだと思います。
また、インターナショナルスクールのように授業が一方通行ではなく探究型だったり、掲げている教育方針がおもしろそうだな、と思える学校や、当時熱中していたスポーツができる学校かどうか、クラブ活動の実績なども比較検討の対象としました。
大学附属の中学校の存在も説明すると
付属に行くともう大学まで決まってしまうの?そんな選択肢を狭めることはしたくない。学校は勉強したいからみんなが勉強している環境に身を置きたい。
とのこと。付属といってもほぼ大学に上がる学校もあれば、付属とついていても受験を勧める学校もあります。とりあえず学校として大学受験のサポートをしていない付属中学校は選択肢から外しました。
親として「こういう学校に行かせたい」という強い思いは特になく、あくまでも本人が通いたいという気持ちを尊重するようにしていました。
塾はほとんど中学受験実績のない個別指導塾に通っていたため、塾からの情報は皆無。いかに親が情報集めをするかにかかっていました。
学校の探し方
まず、どんな学校があるのかすら知らなかったので、色々な学校説明会に参加してみました。
海外の帰国生向けオンライン説明会もあり、「帰国便利帳Web」で開催されるオンライン説明会に参加しました。
複数校、同日に視聴できるので、知識がゼロの私にとってはとても効率よく情報を仕入れることができました。
帰国子女ではない場合、国内でも、各地で合同説明会を行なっているのでそのようなイベントに足を運ぶのも良いでしょう。
ただし、実際に学校に行ってみると「思っていた様子と違った」ということもあるので、時間があれば学校で行われている説明会や学園祭に足を運ぶことをお勧めします。
学校説明会の場合、生徒が休みの日に行われることが多いですが、学園祭は実際に通っている生徒も見ることができるので雰囲気を掴むにはおすすめです。
では具体的に選ぶポイントをみていきます。
男子校?女子校?共学?
公立中学校のほとんどが共学であるのに対し、私立中学校は、男子校・女子校・共学の3タイプあります。
息子自体は、「どっちでもいい」という感じだったので、男子校か共学それぞれどんな特徴があるか調べました。
男子校のメリットとしてよく言われるのは、
共学のメリットとしては
女子校のメリットとしては以下のような点があります。
これらを踏まえて、更に学校ごとの教育理念や特色を調べていきました。
教育について
どの学校も教育理念を持っています。校長先生のお話や、学校が掲げる校訓などを見ると校風もわかってきます。
ギフテッドや2Eのタイプの学校選びという視点で、教育に関して注目すべき点をいくつかご紹介します。
ICT教育
ICTとは、Information and Communication Technologyの頭文字をとったもので、情報通信技術のことです。
書字障害や板書が苦手な子の場合、従来の先生が黒板を使って生徒が板書をするスタイルの学校は苦痛に感じることがあります。
息子はまさに苦手なタイプだったので、普段の授業にICTを利用しているかどうかは重要でした。
学校によって、各教室にスライドがある学校、ない学校、様々でした。
ランキングになっているこちらのサイトは、私自身とても参考になりました。
グローバル教育
帰国生であったのでグローバル教育の観点も重視しました。伝統校といわれている学校は、帰国生受験を行なっていない学校が多く、やはり帰国生を受け入れている学校に比べると、グローバル教育には力を入れていない学校が多い印象でした。
英語をレベル別で分けて授業をしたり、ネイティブの授業があったり、英語の授業が本人にとって学びがある学校かどうかという点も選ぶポイントでした。
ギフテッドのお子さんの中には、海外大学を見据えておられる方もいらっしゃるかと思います。
「海外大学に強い学校」は実際にあります。
海外大学に強い学校は、合格・進学実績を見れば一目瞭然ですが、IB(国際バカロレア)を導入している学校やSAT対策・TOEFL対策を授業に取り入れている学校は強い学校と言えるでしょう。
そうでない場合、なかなかノウハウを持っておらず、自分で調べたり負担が大きくなる可能性があります。6年先のことも見据えて、学校のサポートがあるかどうかも調べておきましょう。
理科
研究や実験が好きなお子さんも多いのではないでしょうか。私立中学校は実験設備や理科室が従実している学校が多くあります。実験器具も、公立にはない装置があるとか。
学校見学の際、息子がよく見ていたのは「学食」と「理科室」でした。理数系の授業は学校によって特徴が出ます。
以下のランキングによると、男子校の方が理数教育は盛んかと思っていましたが、女子校も多くランクインしています。
女子校のいいところは、「男の子だから理系、女の子だから文系」といったラベリングがなくなり、女の子でも好きなことを探求できるところです。女の子のギフテッドで、理数系が得意なお子さんは参考にしてみてくださいね。
学食、カフェテリアに関しては、私立だからといって必ずしもあるとは限りません。購買部や簡易的な自販機のみの学校もあります。
幅広い分野の教養
机上での学習だけではなく、学校行事からも学ぶ機会が多い学校というのもポイントでした。
学校によって、行事も異なります。学校案内を見ると年間の行事が載っていると思うので、私立ならではの拡充した学びも選ぶ時の参考にすると良いと思います。
その他注目すべき点
設備・施設
公立と大きく異なることの一つが設備や施設。これらが充実しているのも私立の魅力の一つではないでしょうか。
ただし、その子の興味関心のあることができる環境であるかどうかがとても大事になります。
先ほどの理科室もそうですが、部活で使える体育館、グラウンドなども重要です。
私立でも学食がなく売店だけの学校もあります。
都心になればなるほど、敷地も狭くなります。十分な設備があるかどうかも見ておきましょう。
部活動
本人がやりたい部活がその学校にあるかどうかです。
息子の場合、近所の公立中学校にないことがわかっていたので、それも中学受験をする大きな理由の一つでした。
例えば、ラグビー部に入りたいのに、グラウンドも部活もない、という場合はいくら他の設備が整っていても意味がありません。
ダンス部、弓道部、フェンシング部、ワンダーフォーゲル部、チアリーディング部、合気道部、新体操部など私立には変わった部活動があることも特徴です。
制服
感覚が過敏であったり、堅苦しい服が苦手な場合は、制服がない学校を選ぶこともできます。通学鞄ひとつとっても、指定の学校もあれば自由な学校もあります。
校則に縛られたくない場合は、指定のない学校を選ぶのもよいでしょう。
自由型か管理型か
さて表題にもしましたが、学校は大きく「自由型」と「管理型」に分けることがあります。自由型か管理型か迷われている方も多いのではないでしょうか。
この分類分け自体、曖昧なのですが、学習面での管理なのか、生活面での管理なのか、によっても捉え方が異なると思います。
たまに学校説明会に参加すると「面倒見が良い」とか「フォローが手厚い」というような表現をされる学校がありますが、それはおそらく学習面でいわゆる「管理型」の学校だと思って良いと思います。
具体的には、
・点数が悪いと追試や補習がある
・成績や順位が出され、校内に張り出す
・学内に塾や外部講師を用意している
・長期休みに講習がある
・部活より勉強を優先
中堅校や、大学の実績を上げようと力を入れている新興校はこのタイプが多いような印象です。
一方、渋谷教育学園(渋渋)のように「自調自考」を学校の方針として挙げている学校もあります。渋渋は偏差値帯としては超難関校ですが、学習面も生活面も自由な学校として有名です。
その他、「自由型」とされている学校は、男子の御三家をはじめ、ほとんどが伝統あるトップレベルの学校が挙げられます。
「自由型」の学校に行けば周りの友達も「型にはまらない子」が多くいることになります。自分を律することができて、かつ自由型が良い子には良いと思います。
「自由型」「管理型」に関しては人によって感じ方が違ったり、時代と共に学校側も変化してきているので、一概にこの学校が「自由型」「管理型」と棲み分けをするのは難しいのですが、なんとなく世間一般的に言われている学校をいくつか挙げてみました。
我が家はここまでお伝えしてきた通り、自由型か管理型かについては特に意識しませんでした。何を重視するかはその子によると思います。「自由型」「管理型」という言葉だけに捉われず、学校選びをすることをお勧めします。
学校説明会では教えてくれないこと
そして周りでよく耳にするのが、中高一貫校であっても出席日数が足りなかったり、成績不振で高校に上がれないケースです。
私立の場合、各学校において欠席日数や成績などで規定を設けている場合があります。中高一貫校だからと油断していると、条件を満たさない場合は、高校に上がれない。ということも出てくるので注意が必要です。
私立中学校は確かに魅力もたくさんあります。しかし実際に入学してからでないと分からないこともあります。
noteでは「私立中学校の中」についてまとめています。実際のところどうなのか、学校説明会では絶対に説明のない部分を含め書いています。
主観も含むため非公開有料記事としています。私立中学の中を知りたい方に届きますように。
まとめ
ギフテッドや2Eの子たちは何のために中学受験をするのか?というところに戻るのですが、やはり第一は、「環境調整のため」ではないでしょうか。
一人一人、合う環境は異なります。偏差値や進学先だけを見るのではなく、「6年間充実した生活が送れる環境かどうか」を基準に見ていくと自ずと合う学校が見えてくるでしょう。
「合った学校」というのは、一人一人異なると思います。お子さんとどんな学校がいいか、よく話し合われると良いと思います。
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