6年生から始める中学受験といえば、「ゆる受験」とか「負担のない受験」と言われたりもしますが、これは我が家には全く当てはまりませんでした。6年生からの中学受験勉強は全くゆるくない。むしろ「キツ受験」というのが終えた今の感想です。
ギフテッド2Eの特性があるにも関わらず、わずか2ヶ月で偏差値を10上げて御三家の「麻布中学校」にお子さんが入学された元テレ東アナウンサーの赤平大さんの話をご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
「我が子もギフテッドの傾向があるし、2ヶ月で名門校や御三家に入学できるならやってみようかな」
と思われた方。
赤平さんの息子さんは、小学3年生で数学検定3級(中学3年生程度)に合格し、4年生の時には6年生までの学習がほぼ終わっていたそう。しかも、ワーキングメモリも高いので、暗記問題は全般的に得意だったそうです。さらに、低学年の頃から中学受験を意識し、自宅での学習も継続されての結果だと思っています。
そして、あくまでもこれは赤平さんの息子さんの場合です。ギフテッドだからといって同じ能力が備わっているわけではありません。ネットを見ていても、「わずか数ヶ月で偏差値15アップ!見事合格!」というような記事をたくさん見かけますがどれも一握りに過ぎないと思います。
今回は、我が家の苦悩の一年を綴ります。
中学受験のカテゴリーについて
我が家は何学年も先の算数先取りしているような算数が得意なギフテッドでもなければ、英才型のギフテッドではありません。
知能検査で言語理解が高いからといって国語が得意なわけではありません。
あらかじめお伝えしておくと、せっかく読んで頂いても、偏差値30からの御三家合格!とか、これをやったら難関校に受かります!といったノウハウは一切得られませんのでご了承ください。
6年の初めの時点での学習状況
この時点で塾は行っていませんでした。「6年生からの中学受験」とタイトルにしましたが、全く勉強をしていなかったわけではありません。
国語は、4年の夏から始めたZ会の通信教育 中学受験コース
のみ。
4年生修了までは毎号進めていましたが、5年生からは受講は続けてはいたものの私生活が荒れ過ぎていたので一旦勉強自体をストップしていました。
算数に関しては、Z会の通信教育 中学受験コース
の4年生までをなんとなく独学で終え、たまに気が向けば5年生の教材も解いていました。
Z会は、進度がとても早いうえに、難易度も高く、内容を理解しているかといったら「?」という状態でした。ただ、Z会のおかげで6年生からの通塾で間に合ったといっても過言では有りません。
それぐらいZ会の教材は中学受験用の教材としては、優れていると思います。
また、Z会とは別に5年生の初めの頃、コロナ禍でゲーム漬けの日々だったので、暇つぶしの一環でオンライン塾を3ヶ月ほど受講し「新演習 5年(上)」の単元をいくつか進めたような状態でした。
ようやく通い始めたと思ったら3ヶ月で退塾、その後
そして、5年生の2学期からようやく大手個別指導塾に通い始めました。使用した教材は「新演習」のつづき。毎週決まった時間に通塾をしたのはこれが初めてのことでした。
ところが、先生に出された宿題を全くしない、遅刻も毎回。挙げ句、自習室で昼寝をする始末。
面談で塾長に
高校受験に切り替えたらどうですか?頑張っている他の塾生に失礼です
とまで言われ、たった3ヶ月で退塾することになりました。
そこからしばらく宙ぶらりんの状態が続いたのですが、遊びから帰ってきて時間があるとZ会の5年生の冊子をめくり問題を解いているではありませんか。
5年生の2月号から1年分ほぼ白紙だったのですが、塾を辞めてからは自分のペースでまた学習をし始めました。遠回しに中学受験の意思があることを、親に知らしめるような、そんな感じでした。
息子にもう一度、中学受験をするのか聞いてみると
やるに決まっている
とのこと。
口で言うのは簡単です。でももし本当にやるならいよいよ本当にまずい。という焦りが私自身の中で出てきました。
もうあとがない最後の砦「受験ドクター」
6年生の初めといえば、大手の塾SAPIXなどはもう全ての単元を終えているとの噂。
そんなことも私自身知らなかったので、今からでも受け入れてくれる塾がないか探しました。「なんとかしてくれる塾」なんて思っていません。とにかく「受け入れてくれる塾」を探しました。
そこで友人から教えてもらったのが【中学受験専門】受験Dr. 個別指導塾
息子の状況を伝えると、遠回しに断られるところもいくつかある中、【中学受験専門】受験Dr. 個別指導塾
元SAPIX・日能研・四谷大塚の中学受験専門プロ講師が運営。
ご相談後、お子様に合ったオーダーメイドカリキュラムで個別指導。
初めて受けた四谷大塚 合不合模試
受験生なら受けたことがある方が多いのではないでしょうか。四谷大塚が行っている模試です。
四谷大塚に通っていなくても個人で申し込めば、指定の会場に行き誰でも受験することができます。
会場は、四谷大塚の塾もしくは指定の私立中学校など選ぶことができます。
無知の親子(私と息子)はなんとなく受験ドクターの先生に言われるがままに受験してみることに。申し込み開始時間と同時に手続きをしても、人気の会場はすぐに定員になってしまうということも当然知りませんでした。今思うと、中学受験の知識が無さ過ぎました。
そんなこんなで最初の模試の結果は散々でした。問題だけではなく、時間配分もチンプンカンプンだったようで時間が足りなくなり国語はほぼ白紙。
ある意味厳しい現実を知ることができたので、受けたこと自体は良かったです。
火がつくわけでもなくダラダラと
模試の結果を見て
「まずい。もっと真剣にやらなければ!」
と思うと思いきや。「過去はなかったことに」の精神で、一度も見直しはしませんでした。
後日送られてきた偏差値表などはまじまじと見ていましたが、「だから何?」という感じで、気にもせず解説の冊子なども放置でした。仮に、また模試で似たような問題が出たとしても、一度解いた問題を「見直す」「解き直す」ことは一度もありませんでした。
もう少し気にした方が良いのでは、と思い、声掛けはしますが、「試験に同じ問題は出ない」とのこと。
早くも反抗期も到来していたので、何をいっても「じゃあやる!」とはなりませんでした。
このままでは間に合わない
週に一回、受験ドクターで授業をお願いしていました。一回の授業で一単元終えようとしてくれるのですが、前回のわからなかった問題を解説してもらったりしていると、とても時間が足りませんでした。
時間割で組まれており、後ろの生徒さんにも迷惑がかかるため授業の延長は有りません。苦手科目の克服のために、SAPIXなどの大手塾と掛け持ちをしている子も多いと聞きました。
そんな受験ドクターは、指導力が優れているだけに、週に一回とはいえ、なかなかの授業料がかかっていました。とても気に入っていたのですが、週一回のペースの授業では受験までに終わらないことに気づきます。
これが課金ゲームか
我が家は、この時点で受験にはほとんどお金がかかっていなかったので、初めて塾の説明を受けた際、塾代には驚きました。
中学受験の大手塾の場合、平均すると、小学校5年生で年間平均70万〜90万円、6年生では110万〜140万円程かかるそう。しかし、いくら課金をしたところで本人のやる気がなければなんの意味もありません。
息子のやる気は果たしてどうでしょう。
確かに勉強は一時期よりはするようにはなったのですが、週7日の公園通いは変わりませんでした。
結局6年生の夏休み前に我が家はもう少し安い、そして国語も受けられる個別指導塾に変えることにしました。
テキストも最低限のものしか買いませんでしたが、苦手な図形は「魔法ワザ」のシリーズを使っていました。
何がきついかというと
6年の1学期は、当時通っていた発達クリニックの医師の「私立しか受け皿はないよ」という助言もあり、5年生の時よりは勉強するようになったと思います。(5年生の頃は一旦勉強から離れています)
それでも、世の受験生とは比べものにならなかったと思います。
そして相変わらず反抗期真っ只中の息子は、家にいると私に口うるさく言われるのがわかっているため、ますます公園通いをするようになりました。
結局6年生から始めると、トータルの勉強期間は短く済むかも知れませんが、やるべき内容は4年生から始めている子と同じです。
つまり、猛スピードで学習しなければならず、時間的な余裕がなくキツかったです。
しかも息子は遊びが第一優先。この遊びたい子に対して、これだけの単元をあと数ヶ月で終わらせないといけないという焦りが私のイライラへと変化し、とても精神的によろしくない状態だったと思います。
親として勉強を強要はしたくなかったのですが、このままでは受からない、という焦りから衝突もたくさんしてしまいました。
結果的に、4年生から通塾をする一般的な中学受験は性格的にも無理だっただろうなとも思うので、短期集中型で終えられたことは良かったのですが、一年だからゆるいかというと全くそうではなく、とてもキツい一年だったのは間違いありません。