中学受験を考えておられるご家庭のほとんどが進学塾に通われていると思います。5年生の後半まで通塾をしなかった息子。やっていたことは自宅学習でZ会の通信教育 中学受験コース のみ。
第3回目の今回は、塾に行かない理由と塾なし受験のメリットデメリットについてです。
中学受験のカテゴリーについて
我が家は何学年も先の算数先取りしているような算数が得意なギフテッドでもなければ、英才型のギフテッドではありません。
知能検査で言語理解が高いからといって国語が得意なわけではありません。
あらかじめお伝えしておくと、せっかく読んで頂いても、偏差値30からの御三家合格!とか、これをやったら難関校に受かります!といったノウハウは一切得られませんのでご了承ください。
塾なしで中学受験をする人の割合
上記は、ひまわり教育研究センターが、2022年に偏差値60以上の中学校に通うお子さんをもつ保護者150人に「お子さんは中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?」というアンケートをした結果です。
「通っていない」と答えた人が約20%いるという結果になっています。
案外多いな、という印象ですが、どうでしょうか。塾なしで中学受験をする理由は各ご家庭さまざまだと思いますが、息子には明確な理由がありました。
集団塾にいかない理由
まず、5年生の夏まで海外に住んでいたこともあり、物理的に近くに通える塾がなかった、という理由が一つあります。車で行けば日本人が経営している塾もあったので、4年生の冬休みに初めて冬季講習を参加してみたところ
みんな一斉に問題を解くけど時間が余って暇。
わかる問題の解説も手を止めて聞かないといけない。
聞く必要がない解説も聞かないといけない上、その間お金も発生しているなんて無駄だよね?
とのこと。物事を損得で考えがちな息子としては、塾はお金が発生しているのに退屈だったりみんなのペースに合わせることが嫌だったようでした。
こんなことも言っていました。
うるさい子がいて集中できない。だったら家でやりたい。
聴覚過敏気味の息子はザワザワしている空間よりも、一人で集中して勉強できる環境を好んでいました。
このような理由で、我が家は通塾なしでZ会の通信教育 中学受験コース
また、当時環境調整がうまくいかず学校生活、私生活共にとても荒れており勉強は二の次。本人の意思を尊重することにしました。
そして帰国後、今まで目にも入らなかった中学受験塾の看板の多さに驚きました。こんなにも中学受験塾があったのかとこのタイミングで知る親もどうかと思われるかもしれませんが、それくらい私にとって中学受験は眼中にないものでした。
周りの中学受験経験者のママ友に聞くと「塾なしで中学受験なんで無理だよ」「大手塾主催の模試を受けるのが普通だよ」とみんなが口を揃えて教えてくれました。
焦りを感じた私は、息子にそのことを伝えると
集団塾は行かない
の一点張り。集団塾は5年生の2学期にはほぼ単元が終わっているという時期的なこともあり、個別塾に通うことにしました。しかしそんな塾も、結果的に3ヶ月で塾をクビになり、またふりだしに戻って、また6年Z会の中学受験コースのみになりました。当時の様子はこちら☟
塾なしで中学受験をするメリット
実際に塾なしで受験勉強を進めるにあたり、親目線で感じたメリットは、たくさんありました。私自身が感じた塾なしで中学受験をするメリットについてご紹介します。
自分のペースで進められる
現在下の子は大手塾に通塾していますが、通塾していると毎週大量の宿題が出されます。プラス学校の宿題もあり、見ていると常に時間に追われています。一方、自宅学習の場合、課題を自分で自由に決められます。
また、発達特性がある場合、得意な教科と不得意な教科に大きな差がある場合があります。教科別に偏差値が大きく離れていても、集団塾の場合、4教科総合の偏差値でクラス分けをされることがほとんどです。
例えば算数がずば抜けて得意でも、国語が苦手だった場合、総合の偏差値で真ん中のクラスに振り分けられます。その場合、算数の授業がとても簡単すぎるといったことが出てきます。
また、周りと合わせた授業になるため、分かっている問題の解説を聞く時間がもったいない。という風に感じる子もいます。
そういったことを気にせず、時間配分を自由に使えるのは自宅学習のメリットだと思います。
他の興味あることをやめずに続けられる
ギフテッドの子や、発達特性があるお子さんの場合、何か夢中になっていることが他にあるかもしれません。
勉強に興味ある子であればいいのですが、スポーツや音楽、絵画などの才能があるお子さんもいらっしゃるかもしれません。集団塾の場合、曜日が固定されています。そのため、他の習い事と曜日が重なるとどちらか諦めないといけないということがでてきます。
自宅学習なら、習い事を続けながら自分のペースで続けられるのでこのような悩みも解消できます。
実際に息子は6年の受験期もピアノは続けており、受験数週間前の発表会も参加しています。
塾代がかからない
塾通いに比べて通信教育の場合、圧倒的にコストが安く済みます。集団塾の場合、5年生からは月5万以上かかる塾がほとんどです。それが塾なしの場合は、塾代を他の習い事代に回せるというのもメリットだと思います。
偏差値がさほど気にならない
各ご家庭によって中学受験の目的は様々だと思います。中学受験は、どうしても偏差値ありきになってしまいがちです。模試の偏差値に一喜一憂したり、クラス分けで上がったり下がったり…。順位が教室に張り出されたり、席順が決まる塾もあります。
周りを気にしたり、順位にこだわりがあるようなタイプはこういった競争が必ずしもプラスに働くとは限りません。
塾なしの場合は、偏差値競争に巻き込まれず中学受験の目的や意味を家族間で話し合いながら進めていける気がします。
塾なしで中学受験をするデメリット
当然塾なしで挑む中学受験にはデメリットもあります。以下、実際に感じたデメリットについていくつかご紹介します。
家の中の誘惑
発達特性がある場合は、注意散漫、多動のような特性があり、家では集中できないかもしれません。また、テレビ、漫画、ゲーム、YouTube…など家にはいくらでも勉強の妨げになるものがあります。通塾すればそういった誘惑は断ち切れます。
模試などがないため、自分の位置がわかりづらい
自宅学習の場合、自分の学力が周りと比べてどのくらいなのかというのが全く分かりません。先ほどのメリットの逆にもなるのですが、模試も自分で申し込んで受けない限りありません。
また、集団塾では「保護者会」が定期的に開催されたり、個人面談なども年に数回行われます。私学と塾は情報を共有しあっています。傾向が変わる場合は、その対策の仕方まで様々な情報を塾は持っています。
塾の個人面談では、家庭での学習方法の悩みや進学先なども相談に乗ってくれるので、この部分のサポートがないのはデメリットといえるでしょう。
切磋琢磨する仲間がいない
塾に通わないと一緒に頑張る友達がいません。親と子で1対1で受験に向き合っているとよほど従順なお子さんでない限り、衝突するのではないでしょうか。
やはり、同世代の一緒に頑張る仲間がいると励まし合いながらいい方向に進んでいけるかもしれません。
親の負担が大きすぎる
そして最大のデメリットは親の負担が大きいことだと思います。
実際我が家は5年生の後半に塾に切り替えるまで通塾なしできましたが、とにかく親の負担が膨大です。自走モードで受験勉強をしてくれるのは理想かもしれません。が、そんなわけにはいきません。相手はまだ小学生。勉強の進め方もやり方もわかりません。
時間管理、スケジュール作り、丸付け、理解しているかのチェック…などやることが大量です。当然予定通り進まないのでイライラ…そこから喧嘩に発展するということも。
特に我が家は、時間の切り替えがとにかく苦手でした。集中モードに入れば一気にやるのですが、切り替えがうまくいかず朝から晩まで声掛けをしてこちらが疲れ果てる…という日も少なくありませんでした。これも本人が尊敬できる先生の元であれば、親の負担は減るに違いありません。
塾なしで中学受験を成功させるために
通信教育を使う
我が家はZ会の通信教育 中学受験コース
「これまでほとんどの通信教育でも実現できなかった難関国私立中学 Z会なら可能です」
と大きくHPに書いてあります。Z会についてはこちらでも詳しく記載していますので併せてご覧ください。
Z会の中学受験コースは3年生からありますが、本格的に始まるのは通塾のタイミングと同じ3年生の2月号からです。
もし仮に4年生の途中で中学受験を始めようと思った場合、塾だとさかのぼって受講することは難しいですが、Z会はさかのぼって受講することも可能です。また、繰り返し動画を見ることも出来るので、自宅で中学受験を考える場合、Z会の通信教育 中学受験コース
「進研ゼミ」と「Z会」どっちがいいか迷っている方はこちら☟
できるだけ早く勉強を習慣にする
塾なし中学受験に重要なのは、勉強をすることを当たり前にすることです。我が家は、時間の切り替えが苦手という特性があったので、勉強時間をルーティン化しました。
朝学校行く前、帰宅後ゲームをする前、など平日は学習に取り組む時間を固定しました。もちろん、予定通りいかないことも多々ありましたが、勉強の時間を固定することで習慣化しやすくなります。
塾なし中学受験は可能か
最終的に6年生から通塾に切り替えたので、最後まで塾なしで中学受験が可能かどうか実証することはできませんでしたが、無理やり合わない塾に通うより自宅学習はメリットもたくさんあります。また、やり方や目標校によっては自宅学習で塾なし中学受験は可能だと思います。
しかし、発達特性があり生活面でもすでに親の負担が大きいのであれば、中学受験塾もしくは家庭教師をお勧めします。塾についてはこちら☟
息子は先の見通しを立てることが苦手で、未来のメリットよりも、目先にある楽しいことや今すぐ得られる快感を優先してしまう特性があります。本人の中では、きりが悪いから切り替えができないだけなのですが、オンラインの時間になっても「きりが悪い」と言い、ゲームを優先したりします。
また、時間の感覚が鈍い息子は、自分で時間で区切って行動するということは難しく、こちらが区切ったとしても、なかなか切り替えることができませんでした。
このように親子の衝突が増えるのであれば外部に任せた方が良いと思います。
まとめ
昨今、中学受験は過去最多の受験者数を記録するなど過熱していますが、中学受験の目的は各家庭それぞれです。家族の健康、平和が損なわれないようにすることが第一です。
塾に行きたがらない場合は何か理由があるのかもしれません。その場合は、転塾、撤退も場合によっては必要だと思います。
発達特性がある子の勉強法
発達特性がある子の勉強法は独特かもしれません。以下は自宅学習をする上で役に立った本です。
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