- インターナショナルスクールに1年行くと英語力はどれくらい身に付く?
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小学校4年生から5年生までの約1年で、英語経験ほぼゼロの状態から、英検二級レベルまで身につきました。我が家の場合は、聴覚優位のため、リスニング力、発音が特に伸びました。
今回は全く英語が喋れないギフテッド2E児がインターナショナルスクールに1年間通ったらどれくらい英語を習得できるか、についてです。
個人差があるとは思うのですが、息子は小学4年生の9月からインターナショナルスクールに1年間通いました。我が家は海外駐在中だったので、海外のインターナショナルスクールに1年通った場合の例です。
また、日本のインターナショナルスクールだけではなく海外のインターナショナルスクールの場合でも、入ってみると日本人だらけで日本人同士、日本語でしゃべってしまうというのもあるようですが、息子の場合は校内には日本人は一人もいない環境でした。つまり、少なくとも学校にいる6、7時間の間は英語のみの環境だったということになります。
こちらの「ギフテッド児のお悩み別Q&A」のカテゴリーでは、実体験に基づいた筆者なりの考えをまとめています。
今まで、数々の医療機関・専門機関を受診して受けたアドバイスや、専門書に基づいて実際にやってみてうまくいったこと、いかなかったことについて記載しています。
ギフテッド児もさまざまなタイプがいるため、その子によっては効果がない場合もございます。その旨ご理解の上、参考にしていただければ幸いです。
英語の学習はいつから始める?
お子様をお持ちのご両親は英語をいつどのような形で始めるか、みなさん一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
早いほうがいいのか?中学からでも遅くないか?留学した方がいいのか?…色々な意見があると思います。
今は小学3年生から小学校で「外国語」は必修科目になっています。早期教育のDVDや幼児教室なんかも今は沢山ありますが、これも賛否両論のようです。
あくまで個人的な意見ではありますが、母語を習得している最中で極端に第二言語しかない環境に置くことはあまりお勧めしません。
娘は4歳になってすぐ海外駐在になったのですが、現地の幼稚園に入れました。日本人学校に入るまでの2年間通うことになったのですが、やはり日本語のシャワーを浴びていない影響が現在3年生ですが時々感じることがあります。
喋り自体は問題ないのですが、言い間違いをしたり、意味が分からない単語が多い気がします。
ただ、この辺は各ご家庭の考え方があるかと思いますので、思い立ったら始めて見ても良いと思います。
入学前の英語のレベル
日本のインターナショナルスクールは学校によって入学の条件があるところもあり、両親のどちらかが英語に堪能でネイティブ並みに喋れるというレベルを求められる学校から、初心者でも入れるところまで様々です。
息子が通っていたのは海外のインターナショナルスクールでしたが、同じように駐在の子や、現地の子など様々な子が通っており、特に入学時点で求められる英語力はありませんでした。
息子は英語は今まで何もやったことがなく、日本人学校での「外国語」の授業のみでした。それが急遽インターナショナルスクールに行くことになったので、ひとまず4年生の5月からオンライン英会話ワールドトークで週に2回、25分のレッスンをすることにしました。結局それ以上のことはなにもせず、それだけの状態で入学しました。
入学直後の授業
9月の転入時点では書くことも喋ることもままならず、どうなるかと思っていました。
しかし、とにかく先生に怒られないこと、宿題がほぼなかったことが居心地がよかったようで、初日から嫌がらず毎日楽しいと言い通っていました。
帰宅して「今日はどうだった?」と聞くと何言ってるかは何となくわかるとのこと。最初の頃はいちいちわからない単語に出会うとGoogle翻訳で調べていたようです。
10月にコロナの影響で一週間ほどオンライン授業になったので、その授業を横で聞いていたのですが、先生の話すスピードの速さに正直私自身が驚いてしまいました。個人的に息子に話すときはゆっくりめに話してくれていたそうですが、インターナショナルスクールにはネイティブの子も通っています。授業ではネイティブより少しゆっくりくらいのスピードで授業をしていたので、集中していないとこれは聞き逃すなと思いました。
入学後の英語力の変化
授業はもちろんオールイイングリッシュ。少人数制の学校だったので授業によっては先生も、ほぼつきっきりで教えてくれたようです。そのおかげで3か月くらい経った頃にはリスニングはだいぶできるようになっていました。
こちらはリーディングの時間に使用していた教材です。
入学時にいきなりこの長文を読まされていたようですが、最初はグーグル翻訳で意味を訳して理解しながら読んでいたとのことでした。毎時間違う教材を使用するので、やっていくうちにだんだん読むことも抵抗がなくなっていったようです。
この教材は息子のみで、他のみんなはもっと長い、もっと字の小さい本を読んでいたとのこと。その子に合ったレベルの教材を用意してくれたのも伸びた要因かと思います。
少し簡単な内容を英語で学ぶことで英語を英語のまま理解するようになる
先ほどのリーディングもそうですが、内容としては「うさぎとかめ」なので内容は理解しやすかったと思います。
これが5年生の算数の教科書の内容です。日本の5年生の算数より内容は簡単だったので、息子は算数の授業が一番理解ができると言っていました。
このように内容がだいたいわかるものを英語で学ぶことで、「いちいちわからない単語で立ち止まってGoogle翻訳を使う」ことがなくなりました。
私もそうですが、どうしても英語⇔日本語と訳してしまう癖があるのですが、少し簡単なイメージのしやすい英語を読み続けることで、いつの間にか英語を英語のままで理解できるようになりました。英語を頭で理解できるようになってきたのは入学後3か月くらいと早かったです。
逆に専門用語ばかりの理科の「植物」の単元はとても難しかったようです。
ライティングのスキルについて
ライティングの授業も最初はとても苦戦していました。定期的にクラスでプレゼンが回ってきます。
テーマは何でもよく、息子は「釣り」など自分の得意なテーマで作成していました。
そもそも英語で文章なんて書いたこともなく単語も覚えておらず文法もわからないレベルでしたが、授業中は単語と文法も個別に教えてくれていたようです。次第に過去形やingなどの活用形は使って文を書けるようになりました。
また、個別にレベルに合った単語テストをしたり、ボキャブラリーを増やすこともしてくれていました。
ただ、プレゼンくらいの長い文章に関しては最後までグーグル翻訳さまにお世話になっていました。日本語で入力し、翻訳をかけて、コピペをする…これで一年間やりきりました。
一年間通った結果の英語のレベルは?英検は?
帰国後に試しに準2級を受けてみました。準2級は一次試験も二次試験もすんなり合格しました。事前にしたことは1冊問題集を解いたのみで、特に単語帳やイディオムを暗記したりといったことは一切していません。なのでリスニングでほとんど点を取っていたような感じでした。
次に2級も受けましたが、こちらは合格点ギリギリでした。
問題集は買ったものの計画的に進められず1冊も勉強せずに受けました。
2級のリーディングは半分も取れておらず、本人も難しかったとのこと。ただ、リスニングは前回同様8割以上は取れており、日常的に英語を聞く機会はほぼなくなりましたが、耳は衰えていないことがわかりました。
準一級を受ける予定は今のところありませんが、あくまでも息子の場合になりますが、1年間インターナショナルスクールに通ったら英検2級程度の英語力が習得できるという結果になりました。
まとめ
一年間インターナショナルスクールに通った結果、思ったより英語は身についたのかなというのが率直な感想です。
ゼロの状態から一年間で英検2級というのは、もしかしたら息子の知的好奇心が旺盛であるという特性や耳の良さにも関係しているかもしれません。
私自身、中学1年生から大学4年生まで、まあまあ真面目に「英語の授業」は受けてきましたが、もう10年分学んだ分はあっという間に抜かされてしまいました。そう考えると、机上で学ぶより、インターナショナルスクールや留学など短期間だとしてもどっぷり浸る方がとても効率よく学べるのではないかと思います。
本人は今思い返しても、このインターナショナルスクールで過ごした一年間はとても学校が楽しかったようなので、当時は色々と大変なこともありましたが、今思うと学校を変えるという選択をして良かったなと思います。